千葉本部は、先代会長故外園紫香先生が、昭和38年4月に創立され、平成8年7月、現会長松林紫栴に引き継がれ、今年で創立43年目を迎えております。

昭和の十年代、紫香先生は大先輩東田紫玉先生、同朋の中田紫芳先生らと共に流祖・秦紫洲先生より直々にご指導を仰ぎながら吟詠への第一歩を踏み出され、遂に昭和28年4月、蒲生君平作「述懐」で兵庫県吟士権を獲得、引き続き同年6月愛国詩吟連盟主催、第8回吟士権者決定大会において、佐野竹之助作「出卿の作」で第一部吟士権者に選抜されました。この年の暮れ、紫香先生は勤務先の都合により、神戸から千葉への転勤を命ぜられました。

千葉転勤後は業務多忙のため、吟詠活動も思うに任せませんでしたが、期熟して昭和38年千葉県吟剣詩舞道総連盟の前身である千葉県吟詠連盟に加盟。時を同じくして日本吟道奉賛会に入会し、毎年開催される香取神宮奉納吟には、欠かすことなく吟詠奉納を行っています。

千葉県吟剣詩舞道総連盟は、(財)日本吟剣詩舞振興会の傘下にあり、春の各種コンクール(一般一部、二部、三部)にも積極的に参加しておりますが、実績はあまり上がっておりません。また秋には、千葉県芸術祭参加「吟剣詩舞道大会」にも欠かさず参加しています。親睦行事として行われている「吟行会(旅行)」にも参加しています。

昭和45年千葉市制50周年を期に設立された千葉市邦楽邦舞文化協会にも発足と同時に入会し、毎年春秋に行われる合同公演にも積極的に参加して来ました。平成16年4月吟詠・剣詩舞部門が千葉市邦楽邦舞文化協会から独立し、千葉市吟剣詩舞道連盟として新たに発足したため、現在はそこに加盟し活動しています。

現在、千葉本部の会員数は約40名と所帯は大きくありませんが、先代・外園紫香会長が、流祖・秦紫洲先生の心を受け継ぎ「吟道これひとなり」「以和為尊」をもっとうと、されていましたが、今もその精神を受け継ぎ「和」「会員相互の親睦」を吟詠を通して培い、仲間を増やして行こうと活動を続けております。

総本部が企画・主催する諸行事はもちろんのこと、前述の如く、加盟している諸団体の活動にも積極的に参加するとともに、千葉本部独自の行事としても、コロンビア吟詠コンクール、クラウン全国吟詠コンクール等、個人の吟詠力アップへの挑戦、吟詠研修会(兼親睦行事)の実施、昇段・昇級審査会等の諸行事の外、各支部が所属する公民館行事への参加も行っています。

平成15年6月1日には、総本部始め各府県本部のご協力を戴き、「創立40周年記念大会」を開催することができました。ただ、紫洲流日本明吟会の中にあって、千葉本部は最東端に位置しているため、関西に心臓部(総本部)がある総本部の諸活動に対して十分に寄与できていないという面もありますが、「紫洲流」を愛し「紫洲流」が好きで吟詠活動を続けている「心」は同朋の皆さんと何一つ変わるものはありません。 (千葉本部会長 松林紫栴)